川和富士公園（かわわふじこうえん）
◆概要
江戸時代中期、富士山信仰が盛んであったこの辺りには、七つの富士塚が築かれていたと言われ、川和富士もその一つとして信仰の対象であった。
川和富士塚は、港北ニュータウン開発前は、現川和高校の東側のゆうやけ橋付近にあったが、ニュータウン開発に伴い壊され消滅した。しかし、地域住民の強い要望により、新設される公園に再現されることになり、公園の名称も川和富士公園と銘され公園の一角に川和富士塚は蘇った。これで都筑区内の富士塚は、北方の山田富士、更に東側清掃工場の裏側付近の池辺富士、更にあまり知られていないが、都田中学校裏辺りにある新池辺富士の四塚がある。
川和富士は、標高７４mで（地上高１５m）頂上に立つと、ほぼ３６０度の視界が開け､晴れた日には南西方向に本物の富士山を遠望でき、みなと未来21地区や新宿副都心までも見通せる。
平成２４年～２５年にかけて施工された公園整備工事に伴い、川和富士塚も再構築され、平成２５年５月完成、平成の川和富士が誕生した。
| 川和富士 |
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●種類：近隣公園
●所在地：横浜市都筑区富士見が丘20
●交通：
市バス３０５・３１０・１２４系統
夕焼け橋・川和富士公園入り口 徒歩５分
地下鉄グリーンラインつづきふれあいの丘駅 徒歩１０分
●開 園：1986年（昭和61年）6月14日
●面積：22,322平方メートル
●駐車場：無
●トイレ：有
●水飲み場：有
◆川和富士について
港北ニュ－タウン地区内とその周辺には、富士信仰に根ざした人工の富士塚が数多く点在していた。
その昔、霊峰富士に参拝する”富士講”が生まれたが、実際に富士山に登れない農民達は富士山を模した富士塚を集落ごとに築造し、富士の山開きに合わせて,浅間大社を祭る神事が行われていたそうでる。
開発前の都筑郡には７つの富士塚がり、都筑の７富士と呼ばれていた。７富士には荏田、川和、池辺、茅が崎、北山田、新羽、篠原の浅間塚があり、ニュ－タウン地区内には川和、茅が崎、北山田、新羽の４ヵ所があった。茅が崎と新羽は整地工事のため消滅し、川和と池辺、北山田が保存されている。
川和の旧富士塚は現在の見花山と富士見が丘を結ぶ”夕やけ橋”の近くにあった。この旧川和富士塚は万延元年（１８６０年）に川和村民協議により造築が決定され、２７年間の歳月をかけて明治２０年４月に完成した。この歴史ある富士塚も、ニュ－タウンの街路計画にかかり、文化財調査団による調査終了後、昭和５３年度に消滅した。しかし、地元郷土史研究会等からの保存の陳情が出され、昭和６１年、川和富士公園に移して現在の形に再現された。
旧富士塚の頂上に祀られていた浅間大神の石碑と庚申塔は、現在、川和八幡神社境内に祀られている。
また、余談ではあるが、池辺富士は地元では「星谷の元富士」と呼び、今でも毎年６月１日には「浅間祭」の神事が池辺富士塚の頂上で行われている。その日は地元の人々がご馳走を持ち寄り、頂上で無病息災と五穀豊穣を祈願する祭りで賑わう。地元のお年寄りによると「星谷の元富士」は寛政８年（１７９６）８月に造られたそうである。
（この項は、見花山自治会ホームページより一部転用しました）
注：現在の川和富士は平成２４年～２５年にかけて再構築され２５年５月完成した。
| ニュータウン開発で消滅した「初代川和富士塚」 | ニュータウン開発後再現された「２代目川和富士」 | 平成２５年再々構築工事中の現在の「３代目川和富士」 |
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| 川和八幡宮境内に遷宮された旧富士塚頂上 に あった浅間大社石碑 |
天保１４年卯１１月の刻文字がある浅間大社石碑 | 昭和５２年７月吉日ニュータウン建設工事のため 富士塚より遷す」の文字が読める浅間大社台座 |
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◆川和富士探訪
初代川和富士塚構築は当然人力によるもので、完成まで２７年の年月を要したが、平成の３代目富士塚構築は、重機を用いた構築のため数か月で完成している。
頂上に昇には、真直ぐに昇る男坂とぐるりと回って昇る女坂がある。女坂を昇ると、通路の横壁に、「とんぼ」や「蝶」・「ヤモリ」・「蛙」等が描かれているのが見える。頂上は平坦で、子供たちの遊び場になり、時にはドラマ等の撮影場にも使われるようだ。
都筑区で一番の高所である頂上からは、ほぼ３６０度の視界が開け、天気が良ければ、みなとみらい２１地区のランドマークタワーや、新宿副都心までも見通せる。
| 再構築工事中の富士塚 | 完成間近の富士塚 | 三代目川和富士の完成 |
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| 登攀壁に描かれた「とんぼ」 | 登攀壁に描かれた「やもり」 | 頂上でのドラマ撮影 |
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| 頂上からの景観・川和東小学校・中央遠景はランドマークタワー | 頂上からの景観・晴れた日なら本物の富士山が見える | 塚麓の遊具エリア |
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