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ジャケ・ドロー ラブィング・バタフライ・オートマトン 命が吹き込まれた腕時計

数百年前のロボットにインスパイアされたオートマトン・ウォッチ。

ヌーシャテル州にある同名の湖の北岸に位置するヌーシャテルを訪れたならば、青く深い湖の対岸を見渡せるホテルに宿泊し、湖の背後にある坂道を登って有名な城を訪れてみよう。時計好きの方には見逃せないのが美術・歴史博物館「Musée d'Art et de Histoire」だ。館内には、モネやピサロなど驚くほど豊富なコレクションがある。スイスのジュラ地方にある美術館としては意外ではないが、時計の展示もある。しかし、できれば時間を作ってでも見て欲しいのが、18世紀半ばにジャケ・ドロー家が製作した3つのオートマトン(からくり時計)だ。

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3つのオートマタ(=からくり)はそれぞれ「作家」「音楽家」「画家」と呼ばれ、20世紀初頭に博物館が入手して以来、常に駆動できる状態に保たれている。現代のコンピュータの遠い祖先であるこれらのオートマタは、互換性のある一連のカムを介してさまざまな動作をプログラムすることができる。特に「作家」はさまざまな文字が書けるように、そして「画家」は数種類の絵が描けるようにプログラムされている。

 見ているとちょっと気味が悪い。この博物館では毎日実演が行われており(少なくとも私が最後に行った3年ほど前は毎日行われていたが、現在はすべて休止されている)、そこでそれらのパフォーマンスを見ることができ、開いた背中(そう、彼らはシースルーバックなのだ)から、レバーと連動する回転カムの機構などを覗くこともできる。彼らの固まった陶器人形のような表情は動作の生き生きとした動作とは対照的で、機械のなかにある種の精神があり、それが彼らを動かしていると想像してしまうのだ。ピエール-ジャケ・ドローが魔術師として非難されそうになったことも合点がいくだろう。

パネライが新しいインハウスムーブメントを搭載したルミノールクロノグラフコレクションを発表

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Watches&Wonders 2021の場合、パネライは、新しい自社製クロノグラフムーブメントを備えた、スーパーコピー時計最新のルミノールクロノグラフと限定版のルナロッサのトリオを発表しました。クロノグラフは通常、パネライの中心ではありません。現在の製品は、ルナロッサにある高価なフライバッククロノグラフと少数の特別版の潜水艇に限定されています。価格は約10,000ドルで、この新しいルミノールクロノグラフコレクションは、ブライトリングやリシュモンのステーブルメイトIWCの製品と競争するためにスマックダブに配置されています。

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パネライルミノールクロノPAM1109、PAM1218、PAM1110、ルナロッサPAM1303はすべて、幅44mm、厚さ15.65mmのステンレススチールケースに収められており、耐水性は100Mです。リューズガードの両側にある2つのプッシャーを絞るのではなく、すべてケースの左側にクロノグラフプッシャーが付いています。過去には、ケースの右側にある3つすべてを圧迫したパネライクロノグラフ(PAM310、PAM188、PAM186など)がありました。したがって、ケースの右側にプッシャーを配置することは可能ですが、パネライは物事のバランスを少しとるのが賢明だったと思います。

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新しい自社製キャリバーP.9200自動巻きムーブメントは、パネライが重要な計画なしに新しいムーブメントを開発するとは思えないため、今後数年でますます見られるようになるでしょう。幅は131/4リグ、直径は約29.9mm、厚さは6.9mmです。 P.9200には41個の宝石があり、GlacydurバランスホイールとIncabloc耐衝撃性を備えています。端末。 28,800 vphの動作周波数とシングルバレルで、それはまともな-十分な42時間のパワーリザーブを持っています。残念ながら、これらすべてのルミノールクロノグラフにはスチール製のケースバックが封入されているため、ムーブメントを把握することはできません。

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3つすべてが機械的に同一で、異なる色の文字盤(すべてにパネライサンドイッチ文字盤があります)と対応するストラップが付いています。 PAM 1109はマットブラックの文字盤で、ブラックのアリゲーターストラップとブラックのラバーストラップがマッチしています。 PAM 1218は、3つの中で私のお気に入りです。マットホワイトの文字盤は、3時位置にある30分のクロノグラフレジスターの針とクロノグラフ針の青い先端からの青いタッチでとてもクールに見えます。ここのサンドイッチダイヤルには、白ではなく無煙炭で作られたアラビア数字があります。こちらはブラックレザーストラップとBluProfondoラバーストラップが付属しています。最後に、PAM1110には青いサテンの太陽光線ダイヤルがありますが、ストラップの代わりにスチールブレスレットが付いています。正直に言うと、過去のSIHHアポイントメント(RIP)で一瞬を超えてパネライブレスレットを着用したことはありませんが、パネライクラウンガードを想起させるように設計された繰り返しパターンはかなりクールだと思います。

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ルナロッサPAM1303は、ブルーの代わりにレッドのアクセントが付いたブルーの太陽光線ダイヤルを備えており、ダイヤルにもルナロッサのテキストが付いています。このモデルのストラップは、プラダをほのめかす赤いストライプの青いゴムと布のストラップです。これは、この時計がルナロッサプラダピレッリチームを祝うので意味があります。また、青ではなく白で行われる同様のゴムと布のストラップが付属しています。

カルティエ タンク マスト カラフルな2021年新作モデルを実機レビュー 

レッド、ブルー、そしてグリーンまで。なんということだ。

スイスの優良時計ブランドが、クォーツ危機の最中で生まれた時計にオマージュを捧げる時代が到来している。カルティエのようなプレステージブランドが生き残りをかけて戦っていた時代に、彼らを救うことができたのは…バッテリーだったという話である。ロレックスがもしオイスタークォーツをこの時代に発売するとしたらと想像して欲しい。実現しないとは言わないが、かなりワイルドだ。いずれにせよ、カルティエは4月にWatches & Wonders 2021に登場した数々の時計たちのなかでも、最も色鮮やかな作品を発表した際にこのやり方を採用した。そう、カラフルな「タンク マスト」の新コレクションである。

 バーガンディ、ブルー、グリーンのタンクは、今年(そして現在でも)最も話題になった時計のひとつだ。考えてみて欲しい。3本のステンレススティール製のクォーツウォッチが、時計界に旋風を巻き起こしたのだ。きっとそれがカルティエの魔法なのだろう。タンクは、1世紀以上にわたる時計製造の発展を支えた象徴的なデザインの時計である。時計の世界が変化しても、タンクはそれに耐え適応してきた。その証拠に、オリジナルのマスト ドゥ カルティエラインは、カルティエに親しみやすさと楽しさを、それが最も必要とされた時代に取り入れた時計なのである。

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クォーツ危機(立場によってはクォーツ革命)が時計界を襲い、多くの老舗時計ブランドが休眠していくなか、カルティエは「勝てないなら仲間になれ」という攻勢をかけた。当時、カルティエの新オーナーは、タンクが事態を好転させる手段であると考えていた。その結果として生まれたのがヴェルメイユケースを備えたタンクであり、別名マスト ドゥ カルティエと呼ばれる、金メッキを施したシルバーケースにカラーダイヤルをもるミニマルなコレクションだった。クォーツムーブメントを搭載し、価格は当時500ドル程度だったが、このコレクションはヒットした。言うまでもなく、そのスタイリングとカラフルさは、80年代という派手な時代に完璧にマッチしていた。今回の タンク マストは、そんな80年代のモデルに敬意を表したものだ。

 カラフルな新コレクションタンク マストを実際に見て最初に気付いたのは、文字盤がいかにミニマルであるかということ。マーカーが一切ないため、時間を知るための基準点がない。

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機能的には厳しい。でも、それがさほど苦にならない理由のひとつが、実はクォーツムーブメントであることだ。一度だけセットすれば、あとは心配がいらない(もちろん電池が切れるまで)。

 歴史的に見て、マスト ドゥ カルティエのライン、そしてこの新しいタンク マスト ウォッチの興味深い点は、同メゾンのエントリークラスの価格帯であるということだ。私はこの言葉が好きではなかったが、今回の文脈では有効だ。去年発売されたカラフルなロレックスのオイスターパーペチュアルを見て欲しい。かつてはブランドのエントリークラスだったものが、今ではレブロン・ジェームズ氏などが着用する最も人気のあるモデルのひとつとなっている。彼はサンゴ色のオイスターパーペチュアルに合わせて、ワインレッドのタンク マストを購入するだろうか? 本機の33.7mmというサイズは、彼の巨大な腕には小さすぎるかもしれない。しかしある意味、それがよりクールなのかも。

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これらの文字盤の色は、日中の光の下では人目を引くような豊かな色彩となり、必ず注目を集めるだろう。また、暗い場所では落ち着いたエレガンスを感じさせてくれる。これらのバランスが、どんな状況でもこの時計を魅力的に見せている。

 ケースの形状やデザインは、まさにタンクと呼ぶにふさわしいものだ。カラフルな文字盤には、オリジナルのマスト ドゥ カルティエのようにゴールドプレートのケースが似合いそうだが、今回はラインナップされない。その代わりすべてSS製であるため、31万7900円の価格を実現できたのだ(税込予価)。

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ラージサイズ(現代の基準ではまだ小さいが)とは、長さ33.7mm、幅25mmのケースだ。ひとつ言えるのは、このケースは羽のように軽いということ。その結果、非常に快適な装着感が得られ、本当に時計をしているかどうか、いつもより多く手首を確認してしまうほどだ。装着の楽しみは、バーガンディ、ブルー、グリーンの3色のストラップとのマッチングにある。個人的にはブルーに惹かれたが、バーガンディも捨てがたかった。グリーンは3位ということになるが、誰が順位を気にするだろうか? 私だけだろう。

 ただ、文字盤が少しミニマルすぎるとは思う。旧モデルの "Must de "の印字には何かしっくりくるものがあったが、このモデルにもあればぴったりだったろう。また、分針の長さも気になった。必要以上に短く感じられ、時間を知るという行為をさらに難解にしている。あらさがしの最後を挙げると、マスト ドゥ カルティエという名前は特別な感じがするが、タンク マストは不完全な文章のように聞こえてしまう。

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全体としては、今回のモデルはカルティエの時計をより楽しくするという目的を果たしていると感じた。そのためにアイコニックな "タンク"を採用したことも評価できる。これは、モデルとブランドの両方が進化し、適応していることを示した新たな実例である。このモデルを身に着けている自分の姿をすぐにイメージできるが、1色に決められるかは自信がない。このまま3つとも揃えるというのはおかしいだろうか?

タンク マスト。ケースサイズ:ラージ - 縦33.7mm×横25mm。サファイアクリスタル。ムーブメントはクォーツ。SS製ケース、ブルーの合成スピネルのカボションがセットされたリューズ。バーガンディ、ブルー、グリーンの3色のラッカー仕上げダイヤル。同色のアリゲーターレザーストラップ。 価格: 31万7900円(税込予価、9月発売予定)。

ゴールドのロレックスに受け継がれるサンダーバーズ パイロットのレガシー

貴重な裏話があるハーマン・グリフィン大尉の唯一無二のロレックスが今、売りに出されている。

全ての時計は物語の器だ。シンプルな刻印にも、それを明らかにする一つのカギが隠れている。常に裏蓋を読むべきである。

 ヘリテージ・オークションに最近出品されたロレックスのRef.6605を見てみよう。18金無垢製ケースの外径は34mm。古びたマットホワイトダイヤルの6時位置には、サンダーバードを表現したエンブレムがあしらわれている。サンダーバードとは、北米各地の先住アメリカ人部族の口承伝承や文献によって伝えられてきた神鳥のことだ。その鳥は、目から稲妻の光を放ち、翼からも雷光がはじけるという。

 この腕時計を裏返すと、さらに興味深い仕掛けがある。“Herman E. Griffin, The Thunderbirds”の文字が裏蓋に刻み込まれているのだ。

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ハーマン・グリフィン大尉はアメリカ空軍の将校であり、空軍フライトデモンストレーションチーム、サンダーバーズのパイロットだった。彼は1958年から60年まで所属。当時はロレックスが、慣例として各パイロットに腕時計を提供していた。その時計は金無垢製の場合もあり、ダイヤルにはフライトチームのエンブレムがあしらわれていたのだ。こうしたモデルはこれまでにも何度か競売にかけられてきたが、このサンプルが他と違うのは、リファレンス が、クリスティーズ、フィリップス、サザビーズの各オークションでここ数年売られてきたような“ターノグラフ”タイプのRef.6609ではなく、デイトジャストのRef.6606だということだ。

 サンダードのエンブレム付きのリファレンスは、いずれも非常に価値のあるヴィンテージロレックスだが、それには理由がある。それは、ロレックスの腕時計が飛行の限界を超えようとして日々、自らの命を危険にさらしてきた人々によって支持されていた時代の名残だからだ。1956年に創設されたサンダーバーズは、初の超音速戦闘機であるF-100Cスーパーセイバーで空を飛んだ。これにより、メンバーたちは世界初の超音速機デモンストレーションチームとなった。グリフィン大尉もその一人だったのだ。

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47年に、チャック・イエーガーはベルX-1に乗り込んで時速662マイルを記録し、初めて音速を超えたことで一躍、時の人となっていた。それから10年もたたないうちに、サンダーバーズは週次デモンストレーション中に音速の壁を破り、世界中の人々を驚かせた。音速以下のスピードで、この飛行機は互いに10フィートも離れず、ぎりぎりのフォーメンションを組んで編隊飛行した。現在、米空軍サンダーバーズの報告書によると「アメリカの全50州と57の諸外国の計2億8000万人以上が、3500回以上のフライトデモンストレーションでこの赤、白、青のサンダーバーズのジェット機を目にしている」という。

ロレックス サンダーバードと愛称のもとになったフライトデモンストレーションチーム

1950年代初頭、アメリカは、ソニックブーム級の大げさな声明文を載せた新兵募集広告によって、新たに見出した軍事的地位をアピールしようと躍起になっていた。1953年6月1日、サンダーバーズはアリゾナ州ルーク空軍基地で始動し、F-84G サンダージェットとF-84F サンダーストリークに乗り込んで空を飛んだ。このF-84のプラットフォームは、サンダーバードが誕生したのと同じ年に終結した朝鮮戦争での役割を称えられていた。チームの目標は国民の間で米空軍への信頼を醸成し、将来と現在の空軍兵を集め、保持するとともに「国外におけるアメリカのプロフェッショナリズムと友好心を積極的に表明」しつつ、「国外の米空軍構成員たちの士気と団結心を高めること」であった。下の動画の4:00から、グリフィン大尉が仲間のサンダーバーズパイロットと雑談している様子が映っている。

音速の壁を破り、世界各地で国を防衛していた素晴らしい飛行機を一般の人々が最前列で見たのは、これが歴史上初めてのことだった。サンダーバーズは人々の想像力をかきたてる象徴的存在となり、魅惑的なターボジェット音と正確無比な操縦術を体感しようとする群衆を引き寄せた。1956年、サンダーバーズは活動範囲を広げ、グリフィンが操縦した超音速プラットフォームであるF-100スーパーセイバーの出動を支援すべくネリス空軍基地に移った。この新しいジェット戦闘機は、以前のF-84よりもはるかに速く、エンジン音も大きく、より攻撃的なスウェプトウィング(掃射翼)の設計になっていた。

パルミジャーニ・フルリエの新CEOグイド・テレーニが考えるブランドの価値

ブルガリ時計部門のトップを務めた人物が見出す、修復を手掛ける時計ブランドの真の価値とは?

HODINKEE読者であればご存知の方も多いだろうが、 パルミジャーニ・フルリエの新たなCEOに就任したグイド・テレーニという人物は、以前ブルガリの時計部門トップを務めた大物である。ウォッチメーカーとしてのブルガリを確立した立役者であり、それだけに今回の転身には業界関係者が騒然とした。一大メゾンからコアなハイエンドウォッチメイキングを続ける独立系ブランドへ。まったく特性の異なるフィールドを選び、何を思うのか尋ねた。

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関口 優(以下、関口)
 パルミジャーニ・フルリエというブランドについて、参画される前と後で抱いた印象を教えて下さい。

グイド・テレーニ氏(以下、グイド)
 私は25年間この時計の世界にいますが、 パルミジャーニ・フルリエの時計づくりにはとても関心をもっていました。そして、いざ内部に入ると、その技術力の高さに驚き、根底にある「修復(レストレーション)」(編注※ブランドの創設者であるミシェル・パルミジャーニは、修復師としてそのキャリアの大半を歩み、このブランドも時計修復事業からスタートしている)というものがどういったものなのか、理解したのです。修復という仕事には、クラフツマンシップやウォッチメイキングにまつわるスキルなどのすべてが詰まっています。例えば、30年代の時計のオリジナルのネジが無くなってしまった場合、長い時間をかけて代わりのものを作りだします。ミスは許されないという世界です。間違いを犯してしまうと修復が価値のないものになり、ブランドの魂に関わってしまいます。

関口
 設計図もないようなものを、その時計に合わせてパーツを作り出すわけですね。技術力はもとより、創造性が求められそうです。

グイド
 まさにそうです。この作業には、アートのような部分があります。私は、生きる伝説ともいえるミシェル・パルミジャーニ氏に会い、ともに過ごすことで深い感銘を受けました。彼がやってきたことは、手元にあるものに魂や技術のすべてを注ぎ込んで、未来を与えるという仕事です。つまり、オリジナルのクリエイションを修復するということで、修復師本人は自分自身を隠す必要があります。それは俳優のように、歴史上の人物を演じるようなもので、機械式時計づくりにおいては難しいことといえます。こういった、パルミジャーニ・フルリエの価値を最大化し、エンドカスタマーに可視化できるようにすることが私の課題です。

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関口
 エンドカスタマーをリードするには、どういったアプローチが必要だと思いますか?

グイド
 世界は急速にそのスピードを増しています。デジタライゼーションによって、パッションのある人はより情報を求めるようになっていますが、彼らに対して深く知ってもらえるようなコミュニケーションが必要だと考えています。SNSでのタッチポイントも大切だとは思いますが、エデュケーションの機会を生み出して、ブランドがもつ真の価値というものを伝えていくことが重要ですね。

関口
 グイドさんが思う、パルミジャーニ・フルリエの具体的な価値はどんなところでしょうか?

グイド
 昨年、ユネスコ(UNESCO/国際連合教育科学文化機関)無形文化遺産に認定した、技術力そのものがパルミジャーニ・フルリエというブランドです。私は前のブランドで、パルミジャーニ傘下にあるサプライヤーにクライアントの立場として関わっていたが、その仕上げのレベルに驚き、尊敬していました。こうした企業が傘下にあることは幸運です。プロトタイプひとつ作るのにも、ものすごくクイックにできるのです。

関口
 時計製作のスピードが、他のブランドと比べて早いということでしょうか?

グイド
 とても早いと思います。当初は、ミシェルさんひとりでスタートしたブランドですが、今は傘下のヴォーシェ・マニュファクチュールや他のメーカーとともに作り上げることででき、かなり強固な基盤となっているといっていいでしょう。ケースメーカーであるレ・アルティザン・ボワティエ(LAB)などにも訪問しましたが、ラ・ショー・ド・フォンの工房と、ダイヤルやあらゆるサプライヤーが一丸となっており、パーツが揃うスピードが段違いです。通常は、サプライヤーに発注したパーツが揃うのを待つことに時間がかかり、そこからプロトタイプを組み上げるのですから。時計のデザインをして技術的な設計を行い、ケースやダイヤルのすべてが一箇所に集約されている状態は、商品を進化させるためにこの上ない環境といえます。

【勢力を拡大するフランス時計の注目株!?】ポストモダンの建築物からインスパイア、独立系ブランド“ニューカール”が面白い。

フランスブランドならではの美意識が光る日本未上陸の独立系ブランド

Neucarl(ニューカール)は、デザインを通してポジティブな感情を呼び起こす時計を作ることに情熱を注いでいる、フランスの独立系時計ブランドだ。起業家であると同時にデザイン、現代アート、建築に造詣が深いフランソワ・カーリエによって設立され、クラウド・ファウンディングの支援により、2020年に最初のコレクション“Sept Mai(セプト マイ)”を発表して本格的に時計ブランドとして活動を開始している。

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カーリエは当初から、“数多くのマイクロウオッチブランドが採用している標準的な時計のデザインは使いたくない”、という意思があり、“セプト マイ”でも強いアイデンティティとユニークなキャラクターを時計のデザインとして具現化している。

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そのフォルムは、流れるようなラインと軽やかなデザインで構成されているが、これはポストモダン建築からインスピレーションを得たもので、ケース自体のデザインは、伝統的な角度を避け、伝統的なデザインの常識を打ち破ってダイナミズムを表現している。

セプト マイ ファウンダーズエディション

ポスト・アール・デコの時代から1960年代〜70年代にかけてのプロダクトデザインや、ポストモダンの建築からインスピレーションを得たファーストコレクション。全体的に伸びやかなラインを持つ流線型のデザインを採用し、文字盤は流線型のケースとは対照的に直線を取り入れたシンメトリーデザインを採用。ミニマリズムとは対照的に、立体的で繊細なディテールが施されており、時計愛好家も堪能できる洗練された製品に仕上がっている。

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