港北ニュータウン(以下NT)の緑道探索ツアーは、観光庁の「看板商品創出事業」の補助を受けています。2022年11月から2023年1月まで10回のモニターツアー。5回目に参加した時のレポートです。

企画はNPO法人「I Love つづき」、NPO法人「ぐるっと緑道」、緑道ハレバレ会、NPO法人「ロクマル」。筆者は緑道ハレバレ会のメンバーでもあるので、緑道ガイドもしていますが、ガイド中は写真もメモもとれません。

そんな時、12月7日のツアーに空きが出たので「つづき交流ステーション」のレポーターとして参加することにしました。


15キロメートルにも及ぶ緑道とNTでありながら農業専業地区があることが、都筑区の自慢です。その魅力を都筑区以外の方にも知ってもらいたい熱い思いをツアーに込めました。

下記の費用が含まれていて2,000円とお得なのは、モニターツアーだからです。

①往復バス代(出発地の駅は、金沢文庫、武蔵小杉、横浜、狛江、あざみ野など広範囲)

②ガイド代(緑道ハレバレ会による「緑道ツアー」と、ぐるっと緑道の塩入さんによる「まちづくりのプロジェクトX」の講義)

③昼食代(都筑野菜を使ったレストラン<ワイルドライス、ラウレアレインボー、みんなのキッチン、JAクッキングサロン、ラ・パッパ>での昼食。松林甫で昼食の場合は弁当。

④収穫体験代(池辺町の都筑ハーベストや東方町のマルイファームや池辺町のひでくんちのイチゴ畑での収穫。時期によって、さつまいも、大根、白菜、小松菜、ほうれん草、レタス、イチゴなどのお持ち帰り)

⑤緑道ハレバレMAP(緑道ハレバレ会発行)と都筑野菜直売所マップ(都筑区役所区政推進課発行)のプレゼント




今日7日のツアーは横浜駅発ですが、ほとんどの参加者がセンター北駅乗車。つまり都筑区民でした。
バスの到着が少し遅れましたが、久しぶりに暖かくてしかも晴天という絶好の日和に恵まれて、待つことも苦にならないようでした。

 
この日の緑道ガイド
江幡・杉原・大橋・吉田さん


 横浜駅出発のバスが
センター北駅に到着

 
ツアー全体の説明は
「I Loveつづき」の岩室さん


 

緑道ツアーはロングとショートの2コースありますが、今日はショートコース。

左地図(緑道MAPの一部)のイラストにあるガゼボ、せせらぎ橋、古民家、池をめぐり、せきれいのみちを通って、せせらぎの水源までたどりました。

このイラストは絵地図師の高橋美江さんによるもの。

距離はわずかですが、NTの成り立ち、ガゼボの美しさ、立体交差のせせらぎ橋、古民家の由来、せきれいのみちにある水源を見たり聞いたりしているうちに、タイムアップ。

ちなみに、ロングコースは、鴨池公園→ささぶねのみち→渋沢橋。



 
西洋風東屋(ガゼボ) 内部の床や水飲み場は大理石で豪華
イラン製の絵皿も飾ってある


NTにはおよそ120の橋があり、それぞれデザインが違う
橋の上が車道、緑道が歩道  歩車分離の街作り
 
橋の欄干は片や金属、片や植物が茂っている
めがね橋のせせらぎに映る景色にうっとり


 橋がピクチャーフレーム ピクチャーの登場者は
ベビーカーの親子やお年寄りやランナーなど
 
長屋門と古民家
長屋門(江戸末期建築)は東京目黒区の小杉家からの寄贈
古民家(江戸中期から後期建築)は荏田東の内野家を移築

 
池と古民家
春は桜、夏は睡蓮、秋は紅葉、冬は雪景色
鏡面のような映り込みが素晴らしい

 
せせらぎを自由に移動するカモ
春にはカモ親子の微笑ましい姿が人気だ


「せきれいのみち」にある池やせせらぎの水源
湧水だけでは間に合わず、地下水をポンプアップ
 


昼食は、川和町にある中山恒三郎家(松林甫)の書院という贅沢な場所です。中山家の「松林甫」については、つづき交流ステーションの「ひと訪問中山健さん」でレポートしているので、お読みください。横浜市認定歴史的建造物に指定されています。

 
今回は内部を見学できなかったが歴史的建造物の店蔵

 
書院から庭の眺め 紅葉を愛でながらの昼食


食事前に主催者・岩室さんの挨拶
 

松林甫はレストランではないので、都筑野菜を使った弁当 



昼食後は、中山家6代目当主から中山家の歴史について簡単なレクチャー。次はぐるっと緑道の塩入理事長から、「まちづくりのプロジェクトX」の講義です。プロジェクターを使っての分かりやすい説明でした。

飛鳥田市長の6大事業の発表がきっかけだったこと、農家の犠牲と協力があってNTが完成したこと、グリーンマトリックスシステムを基本に置いた安心な街づくりを行ったことなど、貴重なお話を聞けました。

   
 
中山さんは松林甫での「川和の観菊会」には
皇族や著名人がたくさん訪れた話をした

 
塩入さんのレクチャー「まちづくりのプロジェクトX」は、
プロジェクターを使って分かりやすかった


 

港北NTは営農意欲がある農家のために大規模な土地を確保し、農業専用地域にしました。2022年現在、区内には7か所の農専地区があります。ちなみに区内の農家は421戸で18区中で1位。農地面積は200ヘクタールで18区中2位です。

今日は、東方町にあるマルイファームでの収穫体験。「マルイファームの地主は石川さんですが、農地の一部を借りてボランティアが活動しています」と、収穫の手伝いをしてくれた方が言ってました。


 畑の側にバスが横づけしてくれた
柔らかい土と緑のコントラストに歓声があがった

 
太くて重い大根だが、土が柔らかいので簡単に抜ける
葉も瑞々しいので、ほとんどの方は葉も持ち帰った
 
レタスは包丁で斜めに切る
レタスは軽いが大きな株なので意外にかさばる

 
八百屋の白菜しか知らない人には、一見しただけで白菜とは分からないが、この緑の葉の中におなじみの白菜が現れる


 

今回のツアーは例外的に都筑区の住民がほとんどでしたが、灯台下暗し。新たな発見をした方が多かったようです。ツアー中に聞いたおしゃべりの一部を紹介します。

「港北区時代をふくめ都筑に40年以上住んでいるのに、せせらぎ公園に初めてきた。身近にこんな素晴らしい緑道と公園があることを知らなかった」

「何度も散歩に来ているけれど、ただ歩いているだけ。今日のガイドのおかげで、いろいろな知識を得られた。これからは、今日のおさらいをしながら楽しみたい」

「今日の散策は15キロメートルの緑道のごくごく一部と聞いた。ぜひ全部を歩いてみたい」

「写真を見せてもらい、せせらぎ公園の風情が、季節によってがらりと変わることを知った。金沢区から来たが、また来ますよ」

「長いことこの地に住んでいるが、中山邸を知らなかった。今日は書院だけだったが、一般公開の日に店蔵などを拝見したい。先の楽しみが増えた」

「駅から近い場所に農地が広がっていることに驚いた。瑞々しい野菜と柔らかい土の感触がたまらない。大根と白菜はどっしりと重かったが、大地の恵を感じた


ツアーの企画をになったI Love つづき、ぐるっと緑道、緑道ハレバレ会、ロクマルの皆さんには、充実したツアーに参加させてもらった感謝を伝えたいです。

今回のツアーは緑道のほんの一部を歩いたに過ぎません。これからも都筑の良さを自慢できるツアーが続くことを願って、レポートはおしまい。
(2022年12月 訪問  HARUKO記)
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