岡田さん内科医の粕谷先生に紹介されて、岡田彰子さん(左)を訪問してきた。先生の2人のお子さんが入園していた「ベビーステーション中川」の園長先生である。

「良い保育者に恵まれたこともあって、医者の仕事を安心して続けられました」と粕谷先生が話していたが、その保育者のひとりが岡田さんだ。

ほかにたくさんの保育士がいるにもかかわらず、インタビューの間も常に子ども達から視線を離さなかった。しかもずっと笑顔。「子どもがだ〜い好き」と語る笑顔に、レポーターの私も癒されてしまった。


横浜保育室 

横浜保育室ベビーステーション中川は、東京に本社がある有限会社ベビーステーションのひとつ。中川駅に近いビルの2階を訪問して目にとまったのが、入り口に張ってある横浜保育室(左)という聞き慣れない言葉だ。

「横浜の保育園は、認可保育所と横浜保育室に分けられます。横浜保育室は、横浜市が決めた基準を満たしている個人や企業が経営する保育施設のことです。認可保育所ではありませんが、市から助成金を受けています」と、ていねいに説明してくれた。

ややこしいことに、この2つ以外に、助成金を受けていない認可外保育施設もある。横浜市子ども青少年局のホームページには、認可保育所・横浜保育室・認可外保育施設の区ごとの一覧が載っている。

保育所の不足は全国的に問題になり、国会の場でも議論されて久しい。しかし、一覧表を見る限りでは、都筑区には充分保育施設があるような気がする。保育施設がほとんどない頃に子育てをした私からみると、羨ましい。ただ問題は、認可保育園が少ないことだ。理想は、全施設が認可保育園になることだと思うが、3つに分けねばならないのは、財政上の問題もあるのだろう。

就活・婚活と並んで、保活という言葉がある。「保活が死語になるぐらいでないと、少子化は止まらないのではないか」。保育園の区別の説明を聞きながら思った。

保育時間が自由に選べる   

「ベビーステーション中川」は就学前の児童を預かる保育園である。でも最近は、3歳になると幼稚園に入る子どもが多いそうだ。だからベビーステーションに通っている子どもは、今は0歳児から3歳児まで。
「保育園と幼稚園では、そんなに違うんですか」と聞いてみた。

「以前は保育園は生活の場、幼稚園は教育の場と言われ、元気に遊ばせたいなら保育園、お勉強させたいなら幼稚園という考え方が主流でした。今は幼稚園でも延長保育があるし、保育園も行事に熱心なところがあり、2つの差はなくなっています。幼稚園か保育園かではなく、大切なのは子どもと園の相性ではないかと思います」。

ベビーステーションでは、朝の7時半から夕方の6時半まで預かっている。夜の8時まで延長保育もしているので、フルタイムでしかも残業するママにも大助かりだ。

ママのお迎えパートタイムで働いているお母さんの勤務時間にあわせて、6時間保育や4時間保育もある。

フルタイムではきつい、でも社会と繋がっていたい、子どもと一日中べったりは精神的に良くないなど、数時間でも外で働きたいという要望は多くなっている。保育時間を選択できるのは、若いお母さんにとってなんと幸せなことだろう。

この日も3時にお迎えに来たママがいた(左)。ママも赤ちゃんもとびっきりの笑顔だった。


  ずっと子どもが好きだった

昼食やおやつをつくる栄養士幼稚園の先生をしていた岡田さんは、子どもが産まれたことで退職。今春高校生になった息子さんは、夜泣きはする、寝ない、病気がち・・と非常に手がかかる子どもだった。「その時の苦労や心配があったからこそ、若いお母さんの悩みにも相談にのってあげられます。子育ての経験が今に生きています」と岡田さん。

その後、子どもが5歳のときに仕事に復帰。保育園で働き始めた。「小さい子どもが大好きなので、ずっと子どもにかかわる仕事をしたかったのです」。

訪問したときはおやつの時間だったので、栄養士2人(左)がキッチンで作業していた。昼食やおやつはすべて、栄養士による手作り。

ほかに保育士が10人いて、交代で勤務している。

おやつの時間岡田さんの子ども好きは、見ていればすぐ分かる。3時のおやつを食べている子への声かけ(左)や、まとわりついてくる子への接し方、どれも眼差しがあたたかい。

「長いこと保育に接してきて、何か感じることはありませんか」。

「そうですねえ。インターネットやテレビ・ラジオの育児相談など情報が溢れているせいか、それに振り回されて子育てに悩むお母さんが増えました。私はよくママの聞き役をしています。社会参加したい母親が増えたことも、大きな変化ですね」。


追っかけをしています!

「ところで、趣味はなんですか」「スポーツジムにほぼ毎日通っています。特にダンスやキックボクシング。好きなインストラクターの追っかけをして、インストラクターが移ると私も移動します。今は2ヵ所に入っているんですよ」。

1ヵ所のジムさえ辞めてしまった私からすると、2ヵ所と聞いてびっくりしたが、大好きなインストラクターと一緒に身体を動かすことが明日の活力になるのだなあ・・と、納得した。仕事が終わってからのジムだから帰りが遅くなることもあるが、夕食の用意は出勤前にしておく。とってもパワフルな”ひと”だ。

ラテン系ダンスの仲間と岡田さんに提供してもらったジムでの様子(左)には、次のようなコメントがついていた。

「ZUMBA」というラテン系ダンスエクササイズの仲間です。前で寝そべっているお兄さんがインストラクター。元”劇団四季”の団員で、ミュージカル”ライオンキング”では主要な役で出演していました。一見ふつうの人ですが、いざ踊り始めると別人。ため息がでます。レッスン前には場所取りの行列ができます。もちろん私は最前列で踊っています!追っかけてレッスン受けています」。

大好きなダンスは、ベビーステーションでも披露しているそうだ。園児にダンスも教えている。子ども達と岡田さんの楽しい動きと笑顔が、見えるような気がする。


 つぎの訪問はトウィンクル児童園のザックさん

岡田さんに次の訪問者を紹介してもらうときに、「女性が3回続いたので、次は男性を。できれば、日本語が話せる外国人がいいのですが」と勝手なお願いをした。

ということで、次回は”ひと”訪問初のアメリカ出身のザックさん。お楽しみに。  
                                          (2010年6月訪問 HARUKO記)

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