今回は4月より始まる、都筑区の委託事業「日本の伝統文化を探そう」『能』ってどんなもの?の会場になる「山鳴庵」でのプレイベントを取材しました。 | |
この事業は都筑区役所から青少年夢づくり講座の委託を受けて実施するもので、山鳴庵プロジェクトが主催しています。 講座の趣旨は、現存の建造物である建物や庭を利用することで、町の景観・町並みを維持保存し、地域の資産を蘇らせ、活かすことで、世代を超えたコミュニケーションの場を作り出すこと。 またこれらにかかわっていく人の輪をつくり、子ども、青少年、社会人、海外人を対象に本物の日本文化に触れる機会を提供していきたい。というものです。 |
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プレイベントは、「茶の湯・抜刀・お話」と、盛りだくさんでした。 |
【茶の湯】 お抹茶をいただく事が初めての学生・留学生達が、先生のお手本を真似て薄茶をいただきました。また、「お茶を点てる」事にもトライしました。綺麗なおお干菓子を戴いて、ホッと心が和むひと時でした。 | |||||
「山鳴庵」は前田家のお茶室です。ご先祖は加賀前田家の家臣として活躍、関が原合戦後に横浜都筑に居を移された4百年続く由緒あるお家柄です。ここ数年使用されていませんでしたが、前田陽康(まえだきよやす)さんのご好意で、茶室をどのように活かしていくかを話し合い、山鳴庵プロジェクトを立ち上げました。昨年の10月11日(土)十三夜の会を催し、改めて茶室のお披露目をし、それを皮切りに様々なテーマで企画をスタートさせています。 |
【抜刀】抜刀とは、刀を鞘に収めた状態から始まる剣術の事です。この道30年、御歳89歳の前田さんが披露してくださいました。目の前で拝見するその技は迫力満点です。 | |||
【前田さんのお話】 | |
その後、お茶をいただきながら、お話をうかがいまた古き時代の宝物を拝見しました。 みなさん抜刀の迫力に興奮冷めやらない様子で、刀の話から大いにもりあがりました。 普段何気なく使われている言葉の中に、日本刀から由来するものが沢山あるそうです。 例えば、「抜き打ち」「焼きを入れる」「一刀両断」「つばぜり合い」「鎬(しのぎ)をけずる」「焼きをいれる」「そりが合わない」「切羽つまる」「目抜き通り」等々です。 前田さんは、刀を作る事もあったそうです。写真の穴が二つ開いている刀は、古くなった裁断機を利用して製作したものだそうです。 軽四輪を利用して製作したものも見せていただきました。 一番下の写真は鏡です。 お雛様の段飾りにあるものか、美術館などでしか見たことが無かったのですが、ずっしり重い銅の鏡は、細工も細かく梅や富士山などが描かれていました。表は美しく磨かれていて、皆さん自分の顔を映して感激していました。 最後になりましたが、印象に残った言葉をご紹介したいと思います。 1日を最大に楽しむ。いつ死ぬかは、神・仏のみ知ることです。生まれたら死ぬことが前提です。人生は自分で作るものです。すべての物事に集中することが大切です。 前田さんは、落ち葉を掃くときは、そのことだけに集中するそうです。 |
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日本の重厚な伝統文化に包まれた一日でした。 そして、これから始まる「日本の伝統文化を探そう 能」の期待が高まる一日でもありました。 |
山鳴庵プロジェクトとは? 目的 1.使われていなかった建造物を使用することによって、地域の資産を蘇らせ、 景観保全にも貢献する。 2.スキルバンク登録の市民と建造物の橋渡しにより、地域の中に小さいが沢山の 文化活動のコアをつくる。 3.文化活動のできる人材を掘り起こす。 4.各種の文化活動企画を通して、世代を超えたコミュニケ−ションの場づくりをする。 5.かっこいい日本文化を再発見できる機会を提供し、文化教育に貢献する。 |
趣旨
1.地域に眠っている、或は放置され使われていない既存の建造物を、 所有者から借り受け、文化活動を行うことを通して、地域の資産を活かし、 街並保全に貢献する。 2.建造物の清掃、必要に応じて手当もし、使えるように整備すると同時に、 維持管理していく。 3.建造物の所有者は、私有、公有、個人、法人、団体あらゆる場合を対象とする。 4.文化活動をしたい人やできる人の登録スキルバンクを作り、建造物との橋渡しをする。 5.子ども、青少年、社会人、海外人を対象に、本物の日本文化に触れる機会を提供する。 |
興味のある方は、e-mail:don@mtf.biglobe.ne.jp 山鳴庵プロジェクトまで是非ご連絡ください。 合わせて、「日本の伝統文化を探そう」『能』ってどんなもの?の参加者募集もしています。 |
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