大棚町のグループホーム「はつらつ」で行われた、音楽療法研究グループ「ドルチェ」の活動を取材しました。矢野宏美さんと岩谷房子さんは、15年前から、介護老人保健施設やグループホーム等を毎月訪問していて、その数は10箇所にもなるそうです。 音楽療法とは、音楽をを聴いたり楽器を演奏することで、心や体を癒し、よりよい状態へ導く治療です。認知症の予防や進行抑制に効果を上げています。 |
矢野さん、山崎さん、足立さんによる一時間の音楽療法(10:30〜11:30)でした。 @ 大きな口をあけて、笑顔で。 A拍手をいっぱいしてください。 そうすることで幸せのホルモンがたくさん出るそうです。 ホームの人は、全員名札を付けて、まず「こんにちは」のご挨拶の歌を歌いながら、一人ずつ名前を入れて、自己紹介していきます。「どうぞよろしく♪」 |
つづいて、口の準備運動で舌を上下に動かして、唾液が出るようにします。声が出やすくなる準備です。さらに大きい声を出して発声練習です。「あはは」と笑い声も出してみます。 |
お年寄りは、歌が大好き。大きな声で、「メリーさんの羊」「肩たたき」「ふるさと」と次々に歌います。太鼓、タンバリン、マラカスも鳴らしながら。ハンドベルは、三つのパートに分かれて、自分の番だけ鳴らします。 |
「はつらつ」のテーマソングは、岩谷房子さんが作詞、矢野宏美さんが作曲されたそうで、皆で元気よく歌いました。訪問して一年ぐらいすると、詩が書けるということです。本格的な応援歌で驚きました。手が暖かくなって、頬もほんのり赤くなり、しわが減ってきたようです。 矢野さんは、お母様の死をきっかけに、音楽療法を知り、お子さんが小学校入学を機に、専門学校で四年間学んだそうです。 音楽によって、高齢者の方々が笑顔になってくれることに生きがいを感じ、かえって元気をもらっていると言います。 日本では、専門職としての音楽療法士はあまり普及しておらず、他に職を持ちながらの兼業や、看護師や介護士など、その職の中で音楽療法を行うのが一般的のようです。 高齢化が進み、認知症を発症する人は2025年には、65歳以上の5人に1人と言われています。音楽の持つ力を生かしたリハビリテーションが、ますます必要とされると思います。そして音楽療法士の方々も専門職として認められ、ボランティアではなく対価を得られる職業に発展していくよう祈っています。 |
「ドルチェ」の連絡先 矢野 宏美 |
取材 2015.9 |
レポーター audrey |
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