(株)港北都市開発センター、(株)都市みらい整備センター、港北ニュータウン熱供給株式会社の3社が合併して、2004年に誕生した「株式会社横浜都市みらい」(左)を訪問してきた。荏田東4丁目にある本社は、都筑区役所から徒歩1分の、区の中心部に位置している。

会社名「横浜都市みらい」の知名度は高くないが、多岐にわたる業務内容は、区民には馴染みがあり、地域に密着している企業だ。

レポーターは2人だけだったが、総務部の穂谷さんは、各業務の専門家(「ケーブルネットつづきの森」の稲垣さん・米山さん、「熱供給」の岡さん)に連絡をとり、万全の体制で、待っていてくださった(右)。



「横浜都市みらい」の業務の中で、もっとも地域に密着しているのは、情報事業部の「ケーブルネットつづきの森」だろう。レポーター2人のインターネットのプロバイダーが「ケーブルネットつづきの森」なので、尚更そう感じるのかもしれない。

情報事業部の稲垣さんが、業務の概要を説明してくださった。専用のケーブルを使って、テレビサービスとインターネットサービスをしている。受付には、視聴できるチャンネルの映像を流すモニターが設置されていた(左)。

ケーブルは、港北ニュータウンエリアを中心にカバーしているが、その7割のおよそ32,000世帯が加入している。そのうち13%が、インターネットにも加入している。

「地震があったときなど、つづきチャンネルで、都筑区の情報が流れると心強いのですが」と、Iレポーターが話を切り出した。「コミュニティチャンネルなので、地域の信頼を得られることを目指しています。防災面では、tvk(テレビ神奈川)と、横浜市内のケーブルテレビ10社で協定を結んでいます」という心強い答えが、稲垣さんから返ってきた。

つづきチャンネル(9チャンネル)は、「TMTVニュース」「私出ちゃいました!」「丘の手SHOPナビ」「シネマ情報」「つづきの風景」「「つづきインフォメーション」「知っ得ガイド」など、都筑区ならではの身近な情報を、放送している。マスメディアは、全国に数え切れないほどあり、インターネットは世界中につながっている。情報はいくらでも得られそうだが、身近な情報となると、意外に少ないものだ。

そんな中、都筑区の情報・ニュース番組は、「お宝」ではないだろうか。「お宝」を制作している人って、どんな人だろう、どんな風に制作しているのだろうと思った私たちは、取材のプロに逆取材するという、無謀でかつ図々しいお願いをしてみた。

TMTVニュースのキャスター・米山さんは、こころよく引き受けてくれたうえに、スタジオでニュースを収録中の様子(左)の写真撮影も許してくれた。

スタジオはコンパクトな設備だが、カメラマンの小林さんと収録を行っていた。

編集を終えたニュース部分とスタジオ収録した部分を編集機上で組み合わせて、番組を作っている。編集機(右上)は、編集専門のソフトが入っているパソコンを使用しているとのこと。

制作スタッフが、女性3名、男性3名と限られていることもあり、米山さんは、キャスターだけをしているわけではない。企画→アポイント→取材→撮影→原稿書き→編集と、ひとり何役もこなす。カメラマンと同行する場合もあるが、全部をひとりでこなすこともあるという。

「すべてをやるのは大変でしょうが、分業化された仕事より面白そうですね」と向けてみた。「そうです。そうです」と、いかにも仕事が楽しくてならない様子だった。

「私出ちゃいました!」という番組は、スタッフが区内に出没して、突撃インタビューに答えてもらっている。区民全員に出てもらいたいと、スタッフは張り切っている。今は、区内の中学校の部活動の様子を放送しているが、中学生がインタビューにハキハキ答えている姿を見ると、頼もしさを感じる。部活動の取材は、ディレクター・インタビュアー・カメラマンの3人であたっている。

行事や催しを取材して欲しいという要望には、出来る限り応じている。「身近な街の情報を教えてください。ぜひお待ちしています」と話していた。電話は、フリーダイヤルの 0120-344-229(みようよ つづき)。

制作スタッフによる都筑の写真日記・「つづき日記」は、HP上で毎日更新している。取材裏話以外に「○○の店のロゴが変わった」「××に新しく信号がついた」など、何気ない地元ネタが多い。関連事項のHPもリンクしているので、話題が次々に発展する楽しさがある。コメントも書き込める。



地域冷暖房事業も、主な業務のひとつである。地域冷暖房は、温水・冷水・蒸気を製造して、各施設へ供給するシステムのこと。横浜市の地域冷暖房システムは、ここ以外には3カ所(みなとみらい地区、横浜駅西口地区、天王町の横浜ビジネスパーク)しかない。日本全体でも100カ所ほどだ。

熱供給のメインプラントは、横浜都市みらい本社に隣接している。ここでの説明と案内は、熱供給事業本部の岡さん。素人にはわかりにくいシステムを、丁寧に説明してくださった。

深夜電力や都市ガスを上手に組み合わせて、80℃の温水と7℃の冷水を製造している。

出来た温水・冷水を、導管を使ってそれぞれの施設に送る。赤い印の導管は、温水と蒸気、青い印の導管は冷水(左)。

それぞれの施設が、暖房の場合は温水を、冷房の場合は冷水を使用して、適温に二次加工している。蒸気は、北部病院だけに送っている。給湯・加湿などに使うためだ。

プラントには人影が少ないが、監視室で24時間体制で監視・コントロールしている(右)。熱供給事業が始まったのは11年前だが、供給が滞ったことは一度もないという。

供給先は、総合庁舎・都市再生機構・あいたい・港北東急百貨店SC・センター南SKYビル・昭和大学横浜市北部病院中央棟・西棟・パルティーレ横浜ウエディングビレッジ・横浜郵便貯金事務センター・郵便局・警察署

もし、これらの施設が独自に冷暖房施設を持つとなると、冷却塔などが美観に相応しくないばかりか、大型ボイラーなどが防災面で問題がある。集中管理することで、省エネやCOの削減も出来るし、社会的効果は大きい。

「大気汚染や温暖化防止効果もあるなら、供給範囲を広げるわけにはいかないんですか」と質問してみた。「大規模な導管の敷設がさらに必要となり、建設費がかさみます。よって、地域は限定されてしまいます」の答えだった。

製造施設は、季節にもよるが、予約(943-2473)したうえで、見学することが出来る。



商業施設や駐車場の運営もしている。センター北・センター南の地下駐車場、あいたい・キーサウス・パルスポットセンター南・パルスポット仲町台などの商業施設だ。

テナントすべてを回るわけにはいかないが、「ショッピングタウンあいたい」の「ラーメン甲子園」を、穂谷さんと一緒に訪ねた。

ラーメン甲子園は、全国選抜のご当地ラーメンの味比べ。全国から7店舗が集まり、半年間にわたり味を競う。1月21日から第4回大会が開幕したばかりだ。

今回の7店は、左図。福岡代表の「筑豊一代」で試してみたが、とんこつラーメンはなかなかの味だった。1回通うと病みつきになるかもしれない。次は、北海道・・次は徳島・・と各地の味を試したくなる。

「もう少し閉店時間が遅くなると、便利なのですが」「駅とバス停の間にあり便利なので、品揃えがもっと豊富なら寄りたくなる」など、駅ビルへの期待を、消費者感覚でぶつけてみた。穂谷さんは「ご意見を参考に検討します」と真摯に受け止めてくださった。(2006年1月訪問 HARUKO記)

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