都筑区池辺町4035にある「ららぽーと横浜」(左)を2人で訪問してきた。「ららぽーとマネジメント(株)」横浜オペレーションセンターの広報や販売促進を担当している安江さんから話をうかがった。 ららぽーとマネジメント(株)は、朝日土地興業が1955年に開業した「船橋ヘルスセンター」が前身である。1970年に三井不動産と合併。1984年に(株)ららぽーとに、2008年に現在名に商号を変更した。今は、三井不動産が開発した商業施設を中心に全国48の施設(09年1月現在)を、運営管理している。
ららぽーと横浜が開業したのは2007年3月、そろそろ2年を迎える。「ららぽーと」と名が付くショッピングパークとしては5番目。最初は1981年のTOKYO-BAY(千葉の船橋)、2番目が2004年の甲子園(兵庫)、3番目が2006年10月の豊洲(東京)、4番目が2006年11月の柏の葉(千葉)である。 「5番目に、都筑を選んだのはなぜですか」と聞いてみた。「5キロメートル圏内には、都市型生活者が多く住んでいます。人口増加も見込めますし、交通の利便性も高いからだと事業主の三井不動産から聞いています」。 ここは、神奈川県で最大級のショッピングパークだ。敷地面積は3万坪もあり、東京ドーム2倍の広さ。4200台分の駐車場は、平日にもかかわらず、平面駐車場は満車だった。ちなみに平日の駐車場は無料。 ららぽーと横浜は、電機メーカーNECの跡地に作られた。工場群の跡に、夢のあるショッピングパークが完成したことで風景は一変した。しかし、敷地にあった300本の樹木を移植し、緑豊かな遊歩道(左)を作るなどNECの歴史もふまえつつ、近隣との調和もはかっている。
ここには、370の専門店が入っている。レディス・メンズ・キッズ・インテリア・雑貨などモノを売る店はもちろん、レストランも和食・中華・洋食・ビュッフェスタイルの店などバラエティに富んでいる。客のニーズに応じて、ときどき店舗の入れ替わりもある。 他に、銀行・病院・ヘアサロン・旅行代理店・生命保険代理店・宅配便など日常生活に必要な施設もある。アミューズメント・シネマコンプレックス・カルチャースクールなど、頭や身体をリフレッシュさせる施設も整っている。 ショッピングパークの名が示すように、館内館外一体の公園のようなものだ。オシャレな空間は、ぶらぶら歩いているだけでも楽しい。セントラルコートにあるシースルーのエレベーターを見上げると、丸い明かり窓(左上)があった。 小さな子供を連れてきても安心して過ごせる場も、たくさん用意されている。セントラルガーデンの噴水は、00時毎に水を噴き上げる(左下)ので、子供たちは大喜び。 なんでも揃う、なんでも用が足せる、何時間でも楽しめると言っても過言ではない。 「お客さまの多くは30代から40代のファミリー層ですが、ここにくればすべて用が足せますし、子供連れでも気兼ねなく過ごせる雰囲気が受けているのではないでしょうか」と安江さん。 ららぽーとマネジメントのサイトの中で、社長が次のようなことをおっしゃっている。 「・・日常生活に密着したライフソリューションを提案することが、これからの商業施設の姿だと考えています。楽しい時間を「コト」で過ごし、感動を体験して「ココロ」の満足を得る、有形・無形の消費財の充実です。・・」 なるほど!これからの商業施設は、モノを売るだけでは客は満足しない時代になったのだ。
去年12月に「都筑水再生センタ」を訪れたときに「ららぽーと横浜では、ここで高度処理された水をトイレの洗浄水に使っています」という話を聞いた。ららぽーと横浜を訪問したい気持ちは以前からあったが、この話がはずみなって、今回の訪問につながった。 たしかに館内のトイレには「下水道を再生処理した水を使用しています」の表示があった。水再生センターの小山さんは「ららぽーとに送っている水は、最終的にオゾン処理して減菌消毒したものです。1日におよそ400~500立方メートルの水を送っています。土日の需要は増えますから、足りなくならないように見守っています」と話してくれた。ららぽーと用の送水パイプが地下に埋められているそうだ。
飲料水に使う水道水を、トイレの水に使うのはもったいない。でも専用のパイプを引くとなると、敷設にかかる費用は半端な額ではない。再生水を利用する「ららぽーと」が、環境問題にしっかり取り組んでいればこそ、実現したように思う。 他にも、環境に配慮した取り組みをいろいろ行っている。 ○ 館内の温度を夏季も27度に設定。 ○ 館内や駐車場などの照明を最大50%にする消灯を実施。 ○ 各店舗がゴミ処理用のバーコードを持つことで、分別が徹底され、排出量も少なくなる。 ○ コージェネレーション設備を使うことで、廃熱を利用して冷温水発生器で冷暖房として利用。 ○ 深夜に使わない電力をNAS電池設備で充電して、昼間に放電する。 ○ 壁面や屋上の緑化。 ○ ハイブリッドカー利用の客には、土日祝日に利用できる2時間の無料駐車券を渡している。
最後に「地域に貢献していると自負している点はなんですか」と聞いてみた。 ○ 「鴨居駅とららぽーとの間の清掃を毎日しています。駅陸橋は月に1度、第1日曜に掃除しています」。 ○ 「近隣の中高生の吹奏楽コンサートの場を提供しています。これまでに15の団体が演奏してくれました」。館内のサウスコートのカリヨン広場やセントラルガーデンステージで演奏する。こんな場を使わせてもらえる中高生も幸せだが、身近で生の演奏を聴ける私たちにも嬉しいことだ。 ○ 「LaLaclubで、安い価格でカルチャーを楽しめる場を提供しています。入会金や年会費もありませんから、1回だけの参加もできます」。学びたい、美しくなりたい、生き甲斐を見つけたい、体力作りをしたい・・などさまざまな要求に応えるカルチャー教室が用意されている。興味のある方は3階のLaLaClub受付に。
今回の訪問で、消費者のニーズが、モノからコトさらにココロに移っていることを実感した。大量消費の時代は確実に変わっていくことだろう。(2009年1月訪問 HARUKO記) |
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