お囃子と踊りの稽古


虫送りに、お囃子とひょっとこ踊りや獅子舞はなくてはならないものです。先頭に歩く笛と太鼓の音にあわせて、松明の行列が続きます。獅子とひょっとこが松明の焚火のまわりを踊って、祭りは終わりに近づきます。

毎週土曜日に稽古をしていると聞き、ある土曜の夜8時から9時の練習を見せてもらいました。この日は「虫送り保存会」メンバーの大人4人、子ども(小学2年から高校2年)11人が参加。小学生がいる割には遅い時間ですが、部活などもあり、この時間でないと集合しにくいのです。場所は南山田町内会館。

子ども達が飽きないように、笛の次は太鼓、太鼓の次は踊り・・と順番も工夫しています。休憩時間はふざけている小学生も、いざ練習となると真剣。おじいちゃん世代と孫世代の練習風景は、見ていて心が和みます。

虫送りの音色は、西洋音楽にはない日本独特の味わいがありますが、驚いたことに楽譜がありません。年長者が若者に教え、それが代々引き継がれていたのです。ほとんどの伝統行事が、いったん途切れると消えてしまうのは、口伝えのせいかもしれません。

今日の指導者は、斉藤一雄さん、斉藤憲治さん、小泉光秋さん。みなさん高齢者ですが、お元気です。

「子どもはある年齢になると練習に来なくなることもありますが、新しい子どもも入ってきます。だから問題はないのですが、後に続く指導者がいないんです。これが悩みです」と、斉藤一雄さん。

でも、5年位前から、42歳の和田昌幸さんが参加するようになった。

「お若いのにどうして?」

「ぼくは東京育ちで、今は会社員です。でも南山田に越してきたからには、自分の子どものためにも、地域に溶け込んだほうがいいと思ったのです。もともと伝統行事に関心ありましたし」

今日の練習日も笛太鼓にあわせて獅子舞をしていたが、当日の祭りでも花をそえていた。


 
 
 
 

 
保存会会長の栗原毅さん


 
笛も太鼓も踊りも
教えている斉藤一雄さん


山田神社を笛を吹きながら
回っている斉藤憲治さん

 
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