区民レポーターがいく ロゴ 都筑ではじめて、障害のある方のための防災訓練が行われました。
~中川西中学校地域防災拠点での障害者避難所体験訓練~
2008年11月30日、都筑区ではじめて、障害のある方のための防災訓練が行われました。
中川西中学校地域防災拠点 にかかわる地域の人たち、行政、そして障害のある方とそれを支援する方たちが協働で行ったものです。このような、中川西中学校地域防災拠点運営委員会、都筑区障害児者福祉団体連絡協議会や区役所等が協働して行った事業は初めての試みということもあり、見学者を含め多くの200人以上の参加がありました。

主な参加団体は以下の通りです。
・中川西中学校地域防災拠点 運営委員会
中川地区民生委員児童委員協議会
中川西中学校(防災拠点として、中学生も含めて先生たちが参加してくれました)
都筑区民生委員児童委員協議会
・都筑区役所
都筑区社会福祉協議会
つづき交流ステーション(取材)
武蔵工業大学環境情報学部、学生(取材)
・都筑区障害児・者福祉団体連絡協議会
   この事業は「つづきあい基金」を活用して行われました。
障害者防災訓練のようすの写真・受付

障害者防災訓練のようすの写真・体育館内
初めて事務局の蛯名さんにこの話を聞いたとき、障害のある方と地域とのコラボレーションでの防災訓練が今までなかったことが不思議な気持ちになりました。

健常者でさえ、発災時には不安になるのですから、体のどこかに不自由があれば、きっと「なにかあったときどうしよう」と不安になるに違いありません。

今回の訓練では、まずはじめの一歩として、地域防災拠点である中学校に来てみよう、そして地域の人たちに自分たちがどんな援助を必要としているのか感じてもらおう、また防災拠点で実際に障害のある人たちが、避難できるのか?を考えてみようと行われたのです。
障害者防災訓練のようすの写真・受付に集まった人

障害者防災訓練のようすの写真・作業のようす
障害者防災訓練のようすの写真・居場所作り

障害者防災訓練のようすの写真・居場所作り
今回の体験訓練のメニューは、まず受付をしたら、地域の方(町内会の方たちや民生委員、中学生など)とペアを組み、体育館の中に居場所をつくるところから始まりました。

防災倉庫には準備されてはいないのですが、やはり居住空間の確保として、パーテーションは必要だということを事務局で考え、プラスティックダンボールやダンボールを用意しました。取材したレポーターとしても、やはり障害のある方、とくに集団生活の中でなじみにくい人にはパーテーションが必要だと感じました。

また、合間をぬって防災倉庫の見学もしました。初めて防災倉庫を見る方も多かったようです。
障害者防災訓練のようすの写真・防災倉庫見学

障害者防災訓練のようすの写真・体育館全体写真
体育館の入り口段差 体育館に入るときに、すでに大きな段差があり、車椅子の方たちは、自分の力で入ることはできませんでした。「板一枚あればなんとかなるのに」と車椅子の方はおっしゃっていました。

普段意識していない段差は、体育館外のトイレにもあります。またトイレは洋式でないと車椅子の方にはきびしいです。バリアフリーであることの必要性を感じました。
外の受付近くの段差
障害者防災訓練のようすの写真・食事準備 パーテーションをつくっている間に、地域の方たちがせっせと食事の用意をしていました。なんとこのお米地元でとれたお米だとか。カレーはレトルトを温めた簡単なものでしたが、お米が正直とてもおいしくて、ほとんどの方が完食されていました。この写真のしゃもじは手作りしたそう。すごくりっぱで丈夫で長持ちしそうです。

非常に手際よく役割分担もされていて、さすが地域防災拠点の運営委員会の方!
障害者防災訓練のようすの写真・食事準備
障害者防災訓練のようすの写真・聞き取り調査

障害者防災訓練のようすの写真・聞き取り調査
訓練のメニューのひとつとして、避難者の状況確認訓練がありました。

これはひとりひとりに「避難者カード(兼 安否確認票)」、今回のために用意した障害者のための「要援護者情報聞き取りシート」を使って、民生委員の方たちが障害のある人たちの聞き取り調査をしました。

防災倉庫には「コミュニケーションボード」(絵や文字がかいてあり、指を指すだけで意思が伝わるようなボード)や「かきポンくん」(何度も簡単に書き直せるお絵かきボート)が用意されています。
障害の種類によってそれらも活用します。

またハンドマイクを使って情報をアナウンス。でもちゃんと聞こえている人は少なく、文字でも掲示します。
障害者防災訓練のようすの写真・情報伝達

障害者防災訓練のようすの写真・情報伝達
カレーとお茶 おひるはみんなでつくったパーテーションの中で落ち着いて、カレーをおいしく食べました。下に引いていた畳は柔道などをやるためにおいてあるものを借りてきました。畳があると冷えることも少ないです。

今回は紙コップではきっとこぼしてしまうことが多いからと、ペットボトルのお茶を用意しました。普段は防災拠点にはありません。これも不自由な人たちにとってどんな方法がよいのか、工夫する必要がありそうです。
食事中の写真
最後に全員で今日の訓練を振り返りました。何人かにインタビュー形式で答えてもらったり、主催者や関連団体、区役所などの関係者からのあいさつがあり、終了しました。

みなさん一様に今回の初めての試みはとても有意義でよかった、お互いに勉強になった、しかしまだ第一歩なのだ、これからはじまるんだ、というお話でした。

これからこういう試みが広がっていくといいですね。
(レポsusuto 写真 SUGI)
インタビュー写真

区民レポーターが行く トップページへ戻る

つづき交流ステーショントップページへ戻る